ぐにゃりと曲がってしまう靴が原因で、咳が出るとはどういうことか。
本来の靴のソールは、MP関節のところで曲がるようになっています。
しかし、最近の靴はコストカットや軽量化のためか、必要な機能を無視して作られています。
ぐにゃりとソールが曲がってしまう靴もそうです。
ソールがMP関節を越えて土踏まずの辺りで曲がってしまうと、足底腱膜に強いストレスがかかってしまうのです。
このストレスにより、歩行時にウインドラス機構がうまく機能出来なくなってしまう。
※ 歩行の蹴り出し時の推進力を生み出す足部機能のひとつ。
また、うまく機能しなくなるだけでなく、アーチを形成する中足骨が硬くなってしまう。
これが、今回の男性の咳に繋がったのです。
中足骨の部分は、他にも映し出す部位があるが、胸郭に当たる部分です。
中足骨が硬くなるということは、胸郭も硬くなるということです。
実際、僕も見落としていたのですが、胸郭が弾力を失い、硬くなっていました。
胸郭が硬くなれば肺が膨らみにくくなり、呼吸が浅くなるので、咳が出るのも無理はないという感じでした。
施術では、中足骨の硬さを緩めるアプローチを行いました。
緩めた後、実際に胸郭が緩んでいるのか確認したところ、少し弾力が回復していたので、胸郭の硬さは足から来ていることが確実となりました。
ただ、一ヶ月もの間履き続けてきたので、複数回に掛けて施術を行う必要があるだろう。
また、大事なこととして、その靴を二度と履かないようにしてもらった。
もったいないかも知れないが、履き続けてしまうといつまで経っても良くなることはありません。
そういったことをきちんとアドバイスすることも大事です。
呼吸器の問題だから、耳鼻咽喉科に任せることも必要だが、身体を診るプロとして何が原因となっているのかを見極めることも必要だ。
今回のような外部環境(靴)が原因であれば、それを取り除かない限り、根本改善は不可能なのです。