この男性は、ボランティアで
森林整備を行なっているのですが、
斜面を登る際に左ふくらはぎに
痛みを感じたそうです。
平地は何ともないのだが、
坂道で踏ん張ると痛む。
確認すると、
左ふくらはぎが張っている
のはもちろん、左腰背部の
ちょうど左側の腎臓のある
辺りが硬くなっていた。
これを診て、
左半身のどこかで流れが
詰まったなと感じた。
血液循環が詰まって滞ると
腎臓に多大な負担が掛かります。
特別に変わったことは
していないとのこと。
ならば、寝ている時に
何かあったはず。
両足を触診すると、
左足の母趾と示趾の
基底部の辺りに硬さが
出ていた。
また、左足示趾のPIPも
硬くなっていた。
そうすると、疑いのある
ところは左肘の辺りになる。
早速、左腕を触診してみると、
円回内筋に強い緊張が
認められた。
左腕の癖を診ても、
軽度屈曲で回内する癖が
出ていたので、恐らく
寝ている時に左腕を
巻き込んでしまったのだろう。
その結果、
左半身の血液循環が悪くなり、
左腎臓に負担が掛かり、
左ふくらはぎが張ったのです。
腎臓がうまく機能しないと
力を入れようとした時に
その影響が現れます。
整理すると、
この男性は寝ていた時に左腕を
巻き込んで寝てしまい、
左半身の流れが悪くなり、
左の腎臓に負担が掛かり、
関連する左ふくらはぎにも
その硬さが現れた。
踏ん張った時に痛かったのは、
腎機能がうまく働けない
状態にあったためです。
左腕の捻れを戻し、
円回内筋の緊張が抜けた後、
左腎臓のある背中の硬さや
左ふくらはぎの張りは
無くなりました。
何が原因となっているのかを
的確に見極めないと症状を
改善させることはできない。
原因の見極めが何よりも大事。