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手あて快復整体道ブログ

シャッターを開けようとしたら腰が痛くなった40代女性。

お店のシャッターを右手だけで開けようとしたら、ピキッと腰を痛めてしまった。


ただ立っているだけや歩くのは痛くない。


しゃがんだり立ち上がる時に腰が痛む。


熱感を調べたところ、熱感はなし。


ギックリ腰っぽいが、ギックリ腰ほど動けないわけではないし、ちょっと動かすだけで激痛が走るわけでもない。




足裏CTスキャンで確認すると、右足小趾中足骨基底部の辺りが一番硬くなっている。


症状から考えられる部位は、右胸郭下部の辺り。


続けて仰向けで骨盤を診ると、右の腸骨稜が挙がっているのと右仙腸関節の動きが悪い。




腸骨稜が挙がっているのは、腹斜筋(ふくしゃきん)の緊張によるものです。

※腹斜筋とは、お腹のところにあり、主に身体を捻る動作をする筋肉。


シャッターを開けようと右手を回内(手のひらを下に向ける動き)させて持ち上げた際、体幹に捻りが加わって緊張したものと思われる。


まずは、この腹斜筋の緊張を操体法で緩めてみた。




右腸骨稜の高さは揃ったものの、まだ痛みは残っている。


腹斜筋は緩んだが、前鋸筋(ぜんきょきん)の緊張が残っていたのだ。

※前鋸筋とは、胸部にある筋肉の一つで、腕を前に出す動作で使われる。別名ボクサー筋とも言われている。


で、このタイミングで女性から、関係無いかも知れないが1週間前からトレーニングを始めてプランクをやっていると告げられた。


想定した腹斜筋の緊張を緩めただけでは痛みが取りきれなかったのは、このプランクの影響だったのです。




仰向けのままプランクの態勢をとってもらったところ、なるほどと思った。


何故なら、右肘の方が左肘よりも前に出ているのです。


これはつまりプランクをした時、右肘が前に出やすいために、体重を左右均等に受け止められないことになります。


右肘が前に出る分、右の負担が増して、その影響で右前鋸筋が張ったと考えられる。


右前鋸筋の緊張を間接法で緩めて、もう一度起き上がってもらうと、痛みは和らいだものの、まだ屈む動作の痛みが残った。




改めて足裏CTスキャンで調べてみると、今度は左足の踵に硬さが出ている。

※足裏CTスキャンでは、一番硬い場所を探すため、その場所が緩むとその次に硬い場所が出てくるのです。


左足の踵に加え、左環趾MPに硬さが出ているので、左股関節に問題がありそう。


触診すると、やはり硬さがあり圧痛もある。


この左股関節を診ると、少し内転する癖が出ていたので緩めたところ、癖が抜けて圧痛も無くなったのだが、内転筋(ないてんきん)に張りが残った。

※内転筋は、股関節の曲げ伸ばしや内側に閉じる動き、捻る動きなど、様々な動きに関与します。


おかしいなと思い、もう一度足裏CTスキャンで調べると、今度は左足の舟状骨内側に硬さが出ていた。


左足示趾基節骨にも硬さが出ていたため、左上腕にある烏口腕筋(うこうわんきん)だろうと思い触診すると、やはりコリコリとした緊張が出ていた。

烏口腕筋は、上腕筋などの補助的役割をするほか、肩の脱臼を防ぐ役割もある。


この烏口腕筋を緩め、左内転筋の緊張が抜けたところで、腰の痛みがほぼ取れました。




実際の流れに沿って書いたため、非常に長くなってしまいましたが、状況から1週間前から始めたプランクの影響で間違いなさそうです。


元々バランスの良くない中で、プランクを行ったことで、右前鋸筋や左烏口腕筋が張ってしまい、アンバランスな状態で脚にも力が入ってしまい、左股関節が内転したと推測される。


このようなバランスが崩れていたところに、身体を捻り片手でシャッターを開けようとしたことで、腰にピキッと痛みが出たのだろう。




とりあえずこの女性には、プランクをやらないようにアドバイスした。


身体を鍛えることが、その人の身体に合わないこともあるという症例です。


今回のように、様々な要因が絡むこともあります。


あれこれ想像しながら、丁寧に診ていけば、答えは見えてきます。


原因の見極めが何より大事です。


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2024年05月14日
コメント
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